「オーディブルの効果って実際どうなの?」と気になっていませんか。
オーディブルは便利なサービスですが、本当に効果があるのか、論文など科学的な根拠はあるのか、気になりますよね。また、一部では効果なしという声や、内容が頭に入らないと感じてやめた人がいるのも事実です。
この記事では、オーディブルが脳に与える影響や、実は読むこともできる機能、そして効果的な使い方まで、気になる点を網羅的に解説します。
さらに、サービスが向いていないケースや欠点にも触れることで、あなたがオーディブルを最大限に活用できるかどうかを判断する手助けをします。
- オーディブルの学習効果に関する科学的な根拠
- 「頭に入らない」と感じる原因とその具体的な対策
- メリットだけでなく、サービスの欠点や注意点
- オーディブルを最大限に活用するための効果的な使い方
論文が示すオーディブルの効果の根拠

- 論文でも証明された学習効果
- 聴く読書が脳に与える良い影響
- 頭に入らないと感じる原因と対策
- 効果的な使い方で学習効率アップ
- 実は読むこともできる機能とは?
論文でも証明された学習効果
オーディオブックの学習効果については、科学的な研究でもその有効性が示唆されています。結論から言うと、「聴く」ことによる学習効果は、「読む」ことによる効果と比較しても遜色ないという結果が報告されています。
例えば、2016年にSAGEジャーナルに掲載されたある論文では、学生を複数のグループに分け、「テキストを読む」「オーディオブックを聴く」「その両方を行う」という異なる方法で学習してもらいました。その後、内容の理解度をテストしたところ、これらのグループ間で理解度に有意な差は見られなかったのです。
これは、インプットの方法が視覚(読書)であれ聴覚(オーディオブック)であれ、最終的な内容の理解度に大きな違いは生まれないことを示しています。そのため、「オーディブルで聴くだけでは意味がないのでは?」という心配は、学術的な観点からは杞憂であると言えるでしょう。むしろ、読書が苦手な人や、移動中などの時間を有効活用したい人にとっては、非常に効果的な学習手段となり得ます。
聴く読書が脳に与える良い影響

オーディブルで本を「聴く」という行為は、私たちの脳にユニークで良い影響を与えます。普段、私たちが文字を読むとき、脳は「文字を視覚で認識する」→「文字を脳内で音声に変換する」→「音声として意味を理解する」という複数のステップを踏んでいます。このプロセスは、脳にとって意外と負荷のかかる作業です。
一方、オーディオブックの場合は、ナレーターが読み上げた音声が直接耳から入ってくるため、脳は「音声として意味を理解する」という最後のステップに集中できます。これにより、脳の認知的な負荷が軽減され、よりスムーズに内容をインプットできるのです。特に、活字を読むことに疲れを感じやすい人にとっては、脳への負担を減らしながら読書を楽しめる大きなメリットとなります。
再生速度の調整で脳を活性化
また、オーディブルの再生速度を少し上げて「速聴」することも、脳の活性化に繋がります。速い音声を聞き取ろうとすることで、脳の言語処理を担当する「ウェルニッケ中枢」という領域が刺激されます。最初は聞き取りにくく感じるかもしれませんが、慣れてくると脳の処理速度が追いつくようになり、結果として頭の回転を速めるトレーニングにもなると言われています。
頭に入らないと感じる原因と対策
オーディブルを利用していて「どうも内容が頭に入らない」と感じることは、決して珍しいことではありません。その原因はいくつか考えられ、それぞれに対策を講じることで、聴く読書の効果を大きく改善できます。
主な原因は以下の3つです。
- 集中できる環境ではない:家事や複雑な作業をしながらの「ながら聴き」は、注意が散漫になりがちです。また、周囲の騒音が大きい場所では、音声に集中することが難しくなります。
- 再生速度が合っていない:ナレーターの読み上げる速度が自分の理解のペースと合っていない場合、内容が頭を素通りしてしまうことがあります。遅すぎると退屈して集中力が切れ、速すぎると理解が追いつきません。
- コンテンツが合っていない:興味の持てないジャンルや、専門的で難解な内容の本は、そもそも集中して聴き続けることが困難です。
これらの対策として、まずは通勤中の電車内や静かな散歩中など、比較的単純な行動と組み合わせることから始めるのがおすすめです。また、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを使えば、周囲の雑音を遮断し、コンテンツに没入しやすくなります。再生速度も0.1倍単位で細かく調整できるため、自分が最も心地よく、かつ集中できる速度を見つけることが重要です。
効果的な使い方で学習効率アップ

オーディブルの学習効果を最大限に引き出すためには、ただ聴き流すだけでなく、少し工夫を凝らした使い方が有効です。ここでは、インプットの質を高めるための具体的な方法をいくつか紹介します。
アウトプットを前提に聴く
最も効果的な方法の一つは、「この本の内容を誰かに話す」「学んだことをSNSで発信する」といったアウトプットを前提として聴くことです。目的意識を持つことで、脳は重要な情報を積極的に探そうとするため、集中力が高まり、記憶に定着しやすくなります。聴き終えた後に簡単な要約をメモするだけでも、理解度は格段に向上します。
繰り返し聴く
一度聴いただけでは理解しきれなかった部分や、特に重要だと感じた章は、繰り返し聴くことをおすすめします。オーディブルは再生履歴が残るため、気になった箇所にすぐに戻ることができます。特にビジネス書や自己啓発書などは、2回、3回と聴くことで、初回では気づかなかった新たな発見があり、理解が深まります。
読書と耳学のハイブリッド
一度紙や電子書籍で読んだ本を、復習としてオーディブルで聴き返すのも非常に効果的です。内容をすでに知っているため、音声だけでもスムーズに理解できますし、文字で読んだ時とは違う視点で内容を捉えられることがあります。また、ナレーターの感情のこもった朗読によって、物語の登場人物の心情がより深く伝わってくることもあります。
実は読むこともできる機能とは?
オーディブルは「聴く」専門のサービスだと思われがちですが、実はAmazonの電子書籍サービス「Kindle」と連携することで、一部のタイトルでは「読む」ことも可能になります。この機能は「Whispersync for Voice」と呼ばれています。
この機能を利用するには、同じ本のKindle版とAudible版の両方を購入する必要があります。両方を所有していると、Kindleで読んでいた続きをオーディブルの音声で聴いたり、逆にオーディブルで聴いていた箇所からKindleで読み始めたりと、デバイス間で進捗状況が自動的に同期されるのです。
例えば、通勤中はスマホでオーディブルを聴き、家に帰ってからはタブレットでKindleを開いて続きを読む、といったシームレスな読書体験が可能になります。音声とテキストを組み合わせることで、難しい内容の理解を助けたり、記憶への定着を強化したりする効果も期待できます。全ての書籍が対応しているわけではありませんが、学習目的で本を利用したい場合には非常に強力な機能と言えるでしょう。
オーディブルの効果を実感できない理由

- オーディブルの欠点は何ですか?
- 向いていない本のジャンルと人の特徴
- やめた人の理由から分かる注意点
- 効果なしという口コミは本当?
オーディブルの欠点は何ですか?
オーディブルは多くのメリットを持つ一方で、いくつかの欠点も存在します。これらを事前に理解しておくことで、利用後のミスマッチを防ぐことができます。
主な欠点を以下の表にまとめました。
欠点の種類 | 具体的な内容 |
---|---|
視覚情報の欠如 | 本に含まれる図解、グラフ、写真などを確認することができません。本文中で「図1を参照」と述べられても、その図を見ることができないため、内容の理解が難しくなる場合があります。 |
ナレーターとの相性 | 朗読を担当するナレーターの声質や読み方が、自分の好みと合わない可能性があります。素晴らしい内容の本であっても、ナレーターが合わないと聴き続けるのが苦痛になることもあります。 |
読み飛ばし・拾い読みが困難 | 紙の本のようにパラパラとめくって全体を把握したり、特定のキーワードを探したりする「斜め読み」が難しいです。基本的には最初から順番に聴き進めるスタイルになります。 |
月額料金 | 聴き放題プランは月額1,500円の固定費がかかります。あまり利用しない月でも料金が発生するため、読書量が少ない人にとっては割高に感じられる可能性があります。 |
これらの欠点は、オーディブルの特性上、避けられない部分でもあります。特に、図や表が多用されている専門書やビジネス書を読みたい場合は、オーディブルだけでは情報が不足する可能性があることを念頭に置く必要があります。
向いていない本のジャンルと人の特徴

オーディブルは万能な読書ツールではなく、本のジャンルや利用者の読書スタイルによっては、あまり向いていないケースもあります。
向いていない本のジャンル
- 図解やグラフが多い本:前述の通り、視覚的な情報が重要なビジネス書、専門書、学習参考書などは、音声だけでは内容を十分に理解するのが難しいです。
- 写真集や画集:当然ながら、ビジュアルがメインのコンテンツには全く向いていません。
- 辞書やリファレンスブック:特定の情報を検索することが目的の本は、順番に聴くスタイルのオーディブルとは相性が悪いです。
向いていない人の特徴
- 自分のペースでじっくり読みたい人:マーカーを引いたり、メモを書き込んだりしながら、深く思考を巡らせて読書を進めたい人には、受動的に聴くスタイルは物足りなく感じるかもしれません。
- 速読や斜め読みをしたい人:要点だけを素早く把握したい、効率重視の読書スタイルを持つ人にとって、全体を聴き終えるまでに時間がかかるオーディブルは不向きと感じることがあります。
- 特定の分野の専門書だけを読みたい人:読みたい本がオーディオブック化されていない場合もあります。特にニッチな分野では、品揃えが不十分に感じられる可能性があります。
このように、自分の読書スタイルや読みたい本のジャンルを考慮し、オーディブルが自分に合っているかを見極めることが大切です。
やめた人の理由から分かる注意点
オーディブルを一度は始めたものの、途中でやめてしまう人がいるのも事実です。その理由を知ることは、これから始める人にとって重要な注意点となります。
主な解約理由としては、以下のような点が挙げられます。
- 月額料金が負担に感じた:最も多い理由の一つです。「思ったより聴く時間がなかった」「聴きたい本がすぐに見つからなかった」などの理由で、月額1,500円のコストパフォーマンスが悪いと感じてしまうケースです。
- 聴く習慣が作れなかった:「ながら聴き」ができるというメリットも、意識的に時間を作らないと活用できません。生活スタイルの中にうまく組み込めず、利用頻度が減ってしまい、解約に至ることがあります。
- 集中できなかった:「内容が頭に入らない」という問題が解決できず、聴く読書というスタイル自体が自分には合わないと判断する人もいます。
これらの理由から分かる注意点は、まず「無料体験期間を最大限に活用する」ことです。30日間の無料体験中に、自分の生活に「ながら聴き」の時間を組み込めるか、聴きたいジャンルの本が充実しているか、そして集中して聴けるかをじっくり試しましょう。いきなり有料会員になるのではなく、自分に合うサービスかどうかをしっかり見極めることが、継続利用の鍵となります。
効果なしという口コミは本当?
「オーディブルは効果なし」という口コミを見かけることがありますが、これは一概に正しいとは言えません。効果を感じられなかった人の多くは、前述したような「サービスとのミスマッチ」が原因である可能性が高いです。
例えば、図解の多い専門書を聴こうとして挫折したり、集中できない環境で聴き流してしまったりした場合、「効果なし」と感じるのは自然なことです。また、読書の効果を「短期間での知識の完全な暗記」と捉えている場合、一度聴いただけでは効果を実感しにくいかもしれません。
一方で、この記事で紹介したように、学習効果は論文でも示されており、脳科学的なメリットも指摘されています。効果を実感している多くのユーザーは、小説や自己啓発書など、音声と相性の良いジャンルを選び、通勤や家事といった「耳のスキマ時間」を有効活用しています。
つまり、「効果なし」という口コミは、その人の使い方や期待値、選んだコンテンツに大きく左右される結果と言えます。オーディブルの特性を理解し、自分に合った使い方をすれば、多くの人にとって非常に効果の高いツールとなり得るのです。
使い方次第で高まるオーディブル 効果
- オーディブルの学習効果は論文でも示唆されている
- テキストを読む場合と理解度に大きな差はない
- 聴く読書は脳の認知的負荷を軽減する効果がある
- 再生速度を上げると脳の言語野が刺激され活性化する
- 内容が頭に入らない主な原因は環境や再生速度にある
- ノイズキャンセリングイヤホンの使用は集中力向上に有効
- アウトプットを前提に聴くと記憶に定着しやすい
- 一度読んだ本をオーディブルで復習するのも効果的
- Kindleと連携すれば読書と聴書を両立できる
- 欠点として図解が見られないことやナレーターとの相性がある
- 斜め読みや拾い読みが難しい点も注意が必要
- 図解が多い専門書やリファレンスブックには向いていない
- 自分のペースで書き込みながら読みたい人にも不向き
- 無料体験期間を活用し自分に合うか試すことが重要
- 効果の有無は使い方と選ぶコンテンツに大きく依存する